根の治療後の再発を防ぐ新しい治療法
抗菌性根充法

 
虫歯が進行して、残念ながら神経を抜かないといけなくなった・・・
すでに他院で根っこの治療を受けたことがあって、根っこの病気が
再発した・・・
 
ここからは、歯牙破折（折れたり割れたり）や、根っこの病気の再発との戦いになります。
 
実は、一般的な根っこの治療（根管治療）は、歯の根っこの中を大きくくり抜いていく治療なのです。最終的に、くり抜いたところにゴムのようなもの（根充材）と、金属などの補強材（杭のようなもの）を詰めたり打ち込んだりします。
その上に、土台やかぶせ物を作っていくのですが、くり抜けばくり抜くほど、太い補強材を打ち込めば打ち込むほど、歯は弱くなって破折しやすくなります。
 
また、詰め込むゴムのようなもの（根充材）や、補強材には抗菌性がほとんどありません。
つまり、菌に対抗する力が弱いのです。
 
お口の中に住む菌は、酸素が嫌いな菌（嫌気性菌）が多いのですが、根っこの中は奥まっているので酸素がほとんど届きません。
つまり、菌が大好きな、繁殖しやすい場所なのです。
 
生きている歯であれば、体の持つ免疫システムで菌と戦えるのですが、神経を抜いて（抜髄）死んだ歯は免疫システムが働きません。
つまり、感染を起こしやすいのです。
 
ですから、
一回でも根っこの治療（根管治療）をした歯は、感染の再発を大変起こしやすい
と言えます。
 
そして、一度根の治療を終了（根管充填）した歯は、非常に再治療が困難になります。
再治療するときは、大きく根っこをくり抜かなくてはなりません。
すると、再発するたびに歯はくり抜かれ弱くなっていきます。
そしてある日、ついに破折して（割れたり折れたりして）抜歯・・・となってしまいます。
 
いじち歯科では、この根っこの治療の問題をなんとか解決したいと常々考えてきました。
そして、たどり着いたのが「抗菌性根充法」です。
この方法は、まず、特殊な薬剤を用いて、根っこの中から根っこの先までをしっかりと除菌します。
使用する薬剤は殺菌力が高く、非常に浸透性があるものです。
その後、半永久的に殺菌成分を放出し、体には無害な詰め物（根充材）をします。
その上から、非常に抗菌性が強く、強度もあるセメントで固めていき、土台作りをします。
あとはお好きなかぶせ物をして終了です。
 
この治療法の特筆すべき点は、

• 根っこの治療につきものである、再発がほとんど起こらない。
• 歯をほとんどくり抜かず、お薬の力で殺菌していくので、歯が弱くならない。
• 治療回数が少ない。
• 何度も再発を繰り返しているような難治性の場合でも効果を発揮する。
• 抜歯が必要な、重度の根っこの病気でも治せる可能性がある。

 
歯の寿命を延ばし、少しでも長く自分の歯で咬んでいくことは、長い目で見れば時間的にも経済的にも大きな節約となります。
また、心身の健康を維持、増進していく上でも大切な予防法なのです。